The Gherkin
ロンドンでは都市デザインの新たな潮流が生まれつつある。最も注目されるのは伝統的建築群のあるシティーにおいても2004年に完成したノーマン・フォスター設計による再保険会社が所有するスイス・リ本社ビルであろう。弾丸型をしており、小さいきゅうりを意味するThe Gherkinとよばれている。シティ・オブ・ロンドンのセント・メリー・アクス通り30番地に聳え立つ超高層ビルで180mの高さで、シティーでタワー42に次ぐ2番目の高さである。なぜこのような形の建物が出現したのか。隣には先端的デザインであるリチャードロジャースによるロイズ本社ビルがあり、その技術の先端性を求める潮流に属していると考えられる。テームズ川からもその斬新な姿伝統的建築群や従来型の超高層ビルと対する形でそびえている。
ロンドンにおける都市デザインの潮流 2009
テームズ川からの眺望
ロイズ本社ビル
ガーキン
ドックランド地区 超高層の新都市
ドックランドはシティーから約4キロ離れた業務、金融機能中心の新都市である。
アメリカ型のガラスの金属パネルによる超高層群によって構成されている。ファサードデザインは格子、縦じま、横じまの3種類が中心である。シーザーペリーによる三角屋根のオフィスビルが景観の中心となっている。
近年では歴史的なデザインを取り入れた住居が実現している。
パタノスター開発 伝統を生かし既存の街と調和したデザイン
セントポール寺院に隣接するパタノスター開発は既存の街並との調和を重視したデザインとなっている。ロンドン証券取引所などがあるシティーのイングランド銀行から500mのところに位置する業務施設である。近代的なガラスの超高層の発想ではなく、低層オフィスは細かなグリッドで覆われており、レンガ調の素材とガラス、石の組み合わせで構成されている。1階部分にはアーケードがあり広場を囲んで人々が日常的に往来する空間となっている。湾曲した路地空間とあいまって細やかの配慮がなされている。
広場の入り口には歴史的建造物を利用したゲートが設けられている。
実現するまでにはデザインについて様々な提案や議論を巻き起こした。
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