まるちゃんの”ここにいってきました。”  シリーズ

向島百花園とレストラン「カタヤマ」

下町で見つけた店の心意気が伝わるステーキの店「カタヤマ」

 最近、インターネットで検索したり、街で注意してみると、「無国籍料理」の店が減っているように思う。勿論、統計的にどれだけ減ったかを突き止めることは難しいので、あくまでこれは私の主観であるが、なぜだろうか。まず消費者には「ルーツのある料理」「定番料理」に対するニーズが根強い。長いこと愛されてきた「どこどこの料理を食べたい」という欲求は多いであろうし、自分が慣れた味やメニューは安心である。「無国籍料理」とは、目新しくちょっとつまみ食いしたくなる料理、あるいは大げさに言えば冒険にいくつもりで食べに行く料理であって、一度行ってしまうとそれで終わり、つまりリピーターが増えづらいのであろう。また「専門性」や「差別化」も舌が肥えた消費者を引き付ける、大切な要素であると思う。 

 さて最近行ったお勧めの店に話を移そう。ふぐ料理の「ひょうたん」とステーキの「カタヤマ」である。それぞれ食材に特化し、こだわりの逸品を手ごろな価格で提供する店である。メニューはシンプルながら、「ぜったい満足しますよ」という店の自信が伝わってくる場所はそれぞれ錦糸町と東向島といった東京の下町。店がまえは華美ではなく居心地がよい。
写真の可愛い洋館風の店は「カタヤマ」で、隣に待合室があるほどの人気店である。輸入牛肉の安全性が問われてから久しいが、この店は国産を中心に手ごろな価格の肉から、高級ブランド肉までをチョイスできる。食器類は厚手でシンプル。付け合せやサラダにも奇をてらったものはない。そのかわり肉のカットに工夫を加え、肉の旨みを最大限に引き出すように、焼き具合やソースにこだわっている。このように地に足のついた専門料理の店が、長く皆に愛されているのは嬉しい。梅の花に誘われて出かけていった下町で見つけた洋食やであるが、今度は七福神めぐりでもしながらまた寄ってみたいものである。

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